日本書道芸術院の書家、生徒の皆様が発表した展覧会作品を掲載しております。
皆様の日々の研鑽が結実した優秀作の数々をぜひ、ご覧ください。また、本院が出品・開催する書道展については行事・展覧会情報にてご確認いただけます。
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- 作品名:菜根譚
- 作家名:前川隆央 会長
- 読み
「春至(はるいた)り時和(ときやわ)らげば、花なお一段の好色(こうしょく)を鋪(し)き、鳥かつ幾句の好音を囀(てん)ず。士君子(しくんし)、幸いに頭角を列し、また温飽(おんぼう)に遇う。
好言を立て好事を行うことを思わざれば、これ世にあること百年なりといえども、あたかも未(いま)だ一日をも生きざるに似たり。」
- ※百回読むと幸せになります
- 意味
寒い冬が去り、暖かい春が巡(めぐ)って来ると地上のものは、ことごとく生気(せいき)を帯(お)びて、花は一段とよい色を地上に現(あら)わし、鳥も好(よ)い音(ね)をさえずって、我が世の春をたたえ、無心の花や鳥でさえも、このように自然に美を増すことを忘れない。
況(ま)して万物の霊長たる人間として折角この世に生れ出たからには、何事か成すところ無(な)くてはならぬ筈(はず)だ。人と生(うま)れながら何一つ自己のためを図らず、社会のためにも盡(つく)し得ないような者(もの)は、いわゆる醉生夢死(すいせいむし)の徒(と)であって、これでは人間としての自己の尊(たっと)い一生(いっしょう)を自(みずか)らやぶれたぞうり・くつの如(ごと)くすてるものであって花鳥にも劣(おと)るものと言わねばならぬ。運よく地位に恵まれて、くらしの苦労もなく、十分飲食している以上は、徒(いたずら)に無為(むい)の生活を送ってはならぬ。大いに発奮(はっぷん)して学を修め、徳を磨き、口を開けば天晴(あっぱ)れ立派な議論を尽し、一度(ひとたび)たてば人を敬服せしめるに足る偉大なる事業を起(おこ)して、社会のためにつくすところがなくてはならぬ。若(も)しそうでなくして物質上の逸楽(いつらく)に耽けり、何のなす所もなくして一生を終るようでは、一日も生存しない者と等しく、全々生き甲斐(がい)のない人間といわねばならない。
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